俳句について その7

俳句はともかく、実体験、自分の身辺の出来事を詠むのがいい。

人はともすると、夢物語や想像、雄大、理想などの「綺麗箏」とか、

あるいは深い、精神性に富んだ、哲学的な感じのする俳句に

憧れるが、自分が思うほど他人は、そんなことに感動してくれない。

 

どこにでもありそうでいて、しかしちょっとした想定外、意外性のある

出来事に人は感動を覚えるものなのである。

俳句にとってこの「意外性」というのは大変に大事な要素である。

たとえそこに、作意を感じたとしても「へえ~、そう来たか、やられたな」

という、この面白さを期待する人は、私を含め案外に多いのである。

 

こういうことを言うと、人はよく「奇をてらう」という言い方をして嫌うもの

だが、そうではない。 そんなにびっくりするほどの「奇」はいらないのである。

マジックで言えば「Mr.マリック」はいらない「マギー司郎」で十分なのだ。

特に最後の下五を「どんでん返し」で、締める俳句が一番喜ばれる。